スタジオジブリの宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」を観てきた感想です。
面白いと素直には言えない、なんとも不思議な感想を書くのが難しい映画でした。
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「君たちはどう生きるか」感想
宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」を観てきました。
2013年公開の「風立ちぬ」以来、約10年ぶりとなる宮崎監督の長編アニメということで、そんなに経ったのかと驚いています。
観た後は、感想がすごく難しい作品だなと思いました。
後半ではネタバレもあるので、ご注意ください。
何か不思議で凄い作品
個人的に「君たちはどう生きるか」って面白かった?と聞かれると返答に困ります。
面白くないわけではないのですが・・・。
ナウシカから始まり、ラピュタ、魔女宅、千と千尋など、今までの作品は、はっきりと面白いと言えるのですが、この作品は不思議な作品だと思いました。
面白いことは面白いけど、他の言い方で表現したい、けどそれを言い表す言葉が見当たらない。そんな感じです。
そしてノスタルジーを感じる作品でもありました。
今までの宮崎駿監督作品を感じる
映像を観てると、今までの宮崎駿監督を感じる場面がたくさんでてきました。
トトロの小道、ナウシカの腐海、紅の豚の飛行機の墓場、ラピュタ、もののけ姫、千と千尋、ハウル・・・。観ていると、過去の作品と重なることがよくありました。
この作品は宮崎駿監督の集大成みたいな映画だと思います。
子どもの頃からジブリ作品に親しんで繰り返し見てきた人程、思い入れの強い映画になると思いました。
あと、観ている途中で、なぜか新海誠監督の「星を追う子ども」が思い浮かびました。
新海監督もジブリを強く意識していたと思いますが、「君たちはどう生きるか」も今までのジブリ作品のシーンが出ることで”ジブリっぽい”作品になってしまったのかなと思いました。
82歳が作ったとは思えないパワフルな作品
さすがに、ラピュタや千と千尋、もののけ姫の時のようなパワフルな作品と比べるとエネルギッシュさは落ちていますが、それでもポニョや風立ちぬで感じた老いと比べるととてもパワフルな作品でした。
80代の方がこんな創造性とエネルギーに満ちた作品を作れるのかと驚きました。
音楽や音響効果が素晴らしい
音楽は久石譲さんで、宮崎駿監督の作品と歩んできただけあり安定の良曲ぞろいでした。
そして、効果音が素晴らしかったです。
古い家を歩く木の床が軋む音、画面外から聞こえる水の流れる音など、前半の静かなシーンで音響効果がすごいなと思いました。
映像と音があっていて臨場感があり心地よさも感じました。
米津玄師さんの主題歌「地球儀」
すでに Spotifyなどで米津玄師さんの主題歌「地球儀」が配信されています。
この感想を書いている間、リピート再生していました。
4年ほど前から「5冊分にもなる重たい絵コンテを頂き、宮﨑さんから説明を受け、恐る恐る作曲に取り掛か」っていたそうです。
「君たちはどう生きるか」の主題歌として「地球儀」という曲を作らせてもらいました。… pic.twitter.com/nquTOr3hKn
— 米津玄師 ハチ (@hachi_08) 2023年7月14日
映画の内容と重なる良い曲でした。
CD初回版を予約したので、米津さんと宮崎駿監督が写った写真集楽しみです。
※CD初回版を購入しました。以下の記事で内容について少し触れています。
小説「君たちはどう生きるか」との関係性
ここからネタバレ含みます。注意してください。
映画「君たちはどう生きるか」は、1937年に刊行された吉野源三郎による同名小説からタイトルが取られていますが、映画の内容は小説とは関係ないと明言されていました。
しかし劇中では、主人公の眞人が小説「君たちはどう生きるか」を読んで影響を受けます。
義母への接し方がその前後でかなり変化しているので、この小説からかなり影響を受けたことが伺えました。
この本の最初のページに実の母親から息子へのメッセージがあり、それがきっかけで主人公が本を読み始めます。
母親はファンタジー世界で生まれる前の息子 眞人と出会って、彼が将来の息子だと認識し、火事で死んでしまうことも聞いていました。
その母が残した本ということで、かなり重要なメッセージ性があるのではと思います。
まだ小説は読んでなかったので、読んどけばよかったと後悔しています。
※原作読みました。以下の記事で小説の感想を書いています。
なぜ鳥だらけ?
アオサギに始まり、ペリカン、インコと大量の鳥が登場しました。
なぜ今作はこんなに鳥だらけだったのだろう?何かのメタファー?
鳥たちの擬人化デザインがあんまり良くなかったので、そこが良ければさらに魅力的な作品になっただろうと思います。
あとワラワラは可愛かったです。
ヒロインが母と義母
ジブリ作品は魅力的なヒロインの登場もポイントですが、今作のヒロインは母と義母がヒロインでした。あとお婆ちゃんズ。
しかも、実母に関してはロリ化させてしまうという、マザコンとロリコンをどちらも満たす業が深いキャラクターが誕生していました。
なかなかマニアックだなと思いますが、子ども母「ヒミ」のしっかり者の性格はジブリヒロインらしかったです。
君たちはどう生きるか?
タイトルから説教臭さを感じますが、内容は全然そう感じることはありませんでした。
あえて言うなら、映画の終盤で主人公 眞人が、ある問題を託されるシーンで、それを拒否することで、自分の生き方を示したのだと思います。
ただ、その辺りの流れを理解するのは難しかったので、また映画を観たり、他の人の考察を読んでみたいと思います。
まとめ
脈絡なく映画の感想や考えを書いていきましたが、間違いなく「宮﨑駿の集大成」と言える作品でした。
小さいころから何度もジブリを見てきた自分には、とても心に残る作品でした。
逆に、ジブリや宮崎駿監督にそこまで思い入れがないと、まあまあな映画になるのかなとも思います。
パンフレットが発売されたら、買いに行くついでにまた観てもいいかも。
※パンフレットは、8月11日(金)に発売されました。以下の記事でパンフレットの内容について触れています。