「テイルズ オブ アライズ」をクリアした感想やレビューを紹介します。
ストレスを感じず楽しめる王道ストーリー、爽快で快適なアクションが特徴の丁寧に作られた作品でした。
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「テイルズ オブ アライズ」新たなテイルズシリーズの始まりとなる作品
第1作の発売から25周年を記念し発売された『テイルズ オブ』シリーズの最新作「テイルズ オブ アライズ」のPS5版をクリアした感想やレビューです。
私はテイルズの全シリーズをプレイする程のファンではありませんが、色々なハードでたまに何作かプレイしていきました。でも、キャラの扱いが悪くてネガティブな意見が多かった例の作品はプレイしていなかったので、そこまでネガティブな感情を持っていませんでした。
ですが、今作でそういった負の評価を覆し、テイルズシリーズをこれからも続けていくのだ!という思いや勢いというものを作品に感じることができました。
心に響く王道ストーリーや爽快アクションなど丁寧に作りあげたゲームだったと思います。
分かりやすいストーリーや展開
ダナとレナという二つの星があり、魔法や科学が発達していたレナがダナを支配し、5つの領地に分割しました。その1つの国で奴隷だった主人公は5人の領主を倒しダナを開放する旅に出かけます。
このようにストーリーを簡単に説明でき、かつ5人のボスを倒していけばいいんだなと目的も分かりやすく、自分のプレイ進行状況がどのあたりなのかと把握しやすくストレスを感じない作りになっています。
特に、1人目のボスを倒すまでの展開が熱くて、そこで一気に物語に引き込まれました。
かといって、5人の領主を倒すと終わりというわけでなく、そこからが物語の謎に踏み込む本当の物語の始まりともいえるでしょう。(実際にそこで2つ目のオープニングが流れてタイミング絶妙で感動しました)
テイルズシリーズらしいとも言える、国や人種による差別問題やファンタジーだとおもったら超技術が登場してSFチックになったり、世界的(星全体)な問題に発展したりとテイルズだな思う展開も多かったです。
それぞれ異なる5つの国
5つの領地それぞれの支配の仕方はそれぞれで、ダナ人を奴隷のように扱う圧制政治だったり、お互いを見張らせて通報させて疑心暗鬼にさせる領地だったりと様々です。
それぞれの国での問題解決の仕方が異なっており、5人のボスを倒すだけという単調なストーリーではない点も良い点です。
風景や雰囲気もそれぞれの領地で違っており、旅をしている感じが味わえます。
絵画のような世界を旅する新世代ビジュアル
テイルズシリーズといえばアニメ調のビジュアルが特徴でしたが、今作ではガラッと雰囲気が変わっています。本作独自の「アトモスシェーダー」というものが使われているようです。
背景はリアル寄りですが水彩画のようでもあり、ファンタジックな味わいがあります。
キャラクターのビジュアルの雰囲気も今までのシリーズと違いますが、テイルズらしいキャラクターの造りでした。特に表情の表現が格段に進化しており、キャラクターの喜怒哀楽がしっかり表現されており、ストーリーと相まって感情移入できました。
OPやイベントシーンのアニメ
いろいろ一新された感じのアライズですが、テイルズらしさの特徴であるアニメは、しっかりとOPやイベントシーンで用意されています。
アニメーション制作は、鬼滅の刃やFateシリーズで有名なufotableが担当しています。
オープニングは2種類あり、感覚ピエロの「HIBANA」は熱い展開を感じる疾走感あふれる曲となっています。
もう一つは絢香の「Hello, Again〜昔からある場所〜」のカバー曲となっており、物語の核心へと迫り、物語が収束する予感を感じさせる良い曲でした。
昔は絢香の曲をよく聞いていましたが、最近また絢香の曲をよく聞くようになりました。
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イベントシーンのアニメも良かったですが、今作はCGのグラフィックが良かったので、アニメじゃなくCGで表現しても良かったかもとも思いました。
等身大のキャラクターたち
キャラクターは男3女3の6人でバランスが良かったです。
それぞれの苦悩とそれを乗り越えようとする姿をしっかり描いており、どのキャラも愛着がもてるものとなっていました。
主人公アルフェンがそれぞれのキャラと会話し、時には励ますことで、解決ではなく問題を乗り越える手助けをするところが良かったです。そういったイベントを物語全体を通して少しずつ挿入してくるので、適度なものとなっていました。
そして今作では、キャラの掛け合いがかなり多いなと感じました。野営ポイントでのイベントやスキットとして漫画のコマ割りのような短いイベントもあれば、移動中、バトル中いろいろなシーンでボイスつきの会話が流れるので、仲間と旅している感がありました。
シオンの腹ペコ属性が発揮される会話やリンウェルとフルルの会話が気に入っています。
メインヒロインのシオン
今作のメインヒロインであるシオンは、人に触れるとその人を傷つけてしまうという女の子です。
そのため人との接し方も恐る恐るで、旅の仲間にもツンとした態度を度々取りますが、だんだんと心を開いていく様子が可愛かったです。よいツンデレでした。
後半の仲間を信じきっているシオンもいいですが、最初の頃の腕を組み、イライラして指をトントンするシオンも気に入っています。
魔女っ子リンウェル
悲しい過去からレナ人に強い敵意を抱いているキャラでしたが、旅を続けるうちに差別意識を乗り越えていく姿が良かったです。人種ではなく、一人一人を見ていくことが大切、良いレナ人もいれば悪いダナ人もいる。私たちの世界でもそういった問題はありますが、リンウェルのように思うことができると良い世界に近づくのではと共感できるキャラでした。
フィールドでは、リンウェルを操作キャラにして、DLCで購入した水着を着せて移動していました。(だって、水に飛び込んだりするのに普通の服では可哀そうじゃないですか?)
フクロウのフルルも可愛いです。フルルの仲間がフィールドに散らばっているので彼らを探すのも、やりこみの一つです。(ただ姿は見えていても当たり判定が難しく所定の位置に行かないと発見できたことにならないのがマイナス点でした)
偏見にとらわれない自由なテュオハリム
「テイルズ オブ フェスティバル 2021」キャラ総合人気ランキングで見事1位を獲得したテュオハリムさんです。1位になるだけあって良いキャラです。
自分の責任と向き合うかっこいい姿とだらしない部分のギャップや天然な所が魅力的です。
偏見や差別であふれた世界で、そういったものにとらわれずダナ人を友人と呼ぶ姿勢もかっこいいです。
フィールド移動中やイベントでポエムやうんちくを語り出すのも気に入っています。
しっかり者のキサラとのやり取りも面白いです。
急ぎたい人も探索したい人も満足なフィールド
フィールドは、急ぎたい人も探索したい人も満足できるものとなっていました。というのも、最短コースを歩けばすぐ通過できますが、脇道にそれると宝箱を見つけたり、敵がたくさんいたりとやり込めるようになっていました。
入り組んだ道を進んだ先や強そうな敵を倒すとちょっといいアイテムをゲットできたりとストレスを感じさせないフィールド作りになっているなと感じました。
でも最短コースで突っ切るとレベルが足りなくてボス戦で苦戦するかもなので、探索をしっかりしてレベル上げをするのがおすすめです。
ファストトラベルもあるので行きたいところにすぐ行けるのは良かったですが、マップが多いので、目的地を探すのがすこし大変でした。マップをもっとさくさく見れたらよかったと思います。
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仲間全員で戦っているような爽快バトル
バトルは通常バトルでも手ごたえがあり、しっかりキャラとの相性を考えて動かしていく必要がありました。かといって難しいわけではなく簡単操作でコンボを繋げていくと派手な協力技を繰り出せるので爽快感もあります。
通常攻撃で、術技のAG(アーツゲージ)を貯めていきます。術技をだしてAGを消費しても、通常攻撃で再び貯めていけるので、ゲージを気にせずどんどん派手な技をだせるのが爽快でした。
術技は、シリーズでお馴染みのものです。
仲間との連携
AGとは別に、BG(ブーストゲージ)もあり、貯まるとより派手なブーストアタックが出せます。キャラクターによって、敵を強制的にダウンさせてブレイク状態にしたり、敵の魔法を妨害したり、突進してくる敵を止めたりと様々な効果があるので、敵の特徴と効果的なキャラクターを組み合わせることで大効果を生み出せます。
6人中4人がバトルに参加しますが、控え組とも協力技(ブーストストライク)を繰り出せるので仲間全員で戦っているように感じました。
回復をどうするかがキーポイント
AGやBGは戦闘毎で回復するのでどんどん使えますが、回復魔法に使用するCP(キュアポイント)は戦闘が終わっても回復しません。
回復は宿や野営で休んだり、オレンジグミなどのアイテムで回復できますが、本作では回復アイテムが高価格に設定されているため(レナ人に支配されているダナ人の星ということなので設定的にもあっていますが……)、CPの回復はシビアとなっています。
そのため、フィールドでもCPが少なくなると深追いはせず野営に戻り、オレンジグミを温存する必要があります。
ボス戦は長期戦となり、回復魔法も頻繁に使用するのでCPがすぐに枯渇します。なので、ボス戦で一気にアイテムを使用していく感じになります。
フィールドでアイテムを集める→ボス戦で一気に使う→次のフィールドでアイテムを集める→次のボス戦で一気に使う、といった感じで5人のボスを倒すまではこの繰り返しになります。それ以降はお金がどんどん貯まっていくので楽になります。
まとめ
「笑うなら一緒に笑おう。泣くなら一緒に泣こう。皆でだ。」と青臭くも真っすぐなセリフがすっと心に入ってくる、逆に今のゲームでは珍しくなった王道な物語でした。
「テイルズ オブ アライズ」は、下がってしまったテイルズシリーズの評価を再び人気作にまで引き上げることに成功した作品だと思います。
それは、フィールドの作り方、バトルシステム、キャラクターやストーリーなどストレスを感じさせない丁寧な作品作りから感じました。
グラフィックやシステムの思い切った変更も、いろいろな人のレビューを見ていると新規プレイしたという人も多く、25周年以降これからのテイルズの新たな道を作り出したのではないかと思います。