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意外と知らないジブリ作品の原作やルーツとなった作品 「ナウシカ」から「君たちはどう生きるか」まで

ジブリはオリジナル作品のイメージが強いですが、原作を基に作られているものも多数あります。また、原作から内容やキャラクターを大胆に変更していることもあります。

原作を読んで、改めてジブリ作品を見直すと新たな発見があるかもしれません。

「風の谷のナウシカ」や「魔女の宅急便」から、「アーヤと魔女」、「君たちはどう生きるか」まで様々なジブリ作品一覧の原作やルーツとなった作品を紹介します。

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ジブリ作品の原作やルーツとなった作品を紹介 

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ナウシカ、ラピュタ、トトロなどジブリ作品の原作って知ってる?

オリジナルのイメージが強いジブリ作品ですが、漫画や小説が原作だったという作品が多数あります。
また、原作はないけど元となった作品もあります。
ジブリ作品の原作やルーツとなった作品を解説します。

ジブリが公開している無料壁紙や相づちイラストについては以下で解説しています。

「風の谷のナウシカ」 原作は宮崎駿監督の同名コミック

原作は脚本・監督を務めた宮崎駿監督本人の描いたコミックです。

当時は原作が無ければ映画化しないという話だったため、急遽宮崎駿監督が原作となる漫画をアニメージュで連載しました。

 映像化されたのは、原作コミックス2巻目までです。コミックでは、映画の後の展開を読むことができます。

「天空の城ラピュタ」 原作なし

この作品には原作がありません。なんと宮崎駿監督が小学生のころに思い描いていた架空の物語を映画にするために構成されたものです。

劇中に登場する天空の城「ラピュタ」は、スウィフトの『ガリヴァー旅行記』に登場する、空を飛ぶ島にある王国「ラピュタ王国」からとったものです。

「となりのトトロ」 原作なし

「となりのトトロ」の原作者は監督・脚本を務めた宮崎駿監督です。

まだ宮崎駿監督が1970年代に日本アニメーション、テレコムアニメーションに在籍していた際に書き溜めていた作品です。

 ちなみに、ポスターやDVDのジャケットに描かれている赤い傘を差した二つ結びの女の子はメイでもサツキでもなく、もともと絵本にするつもりで描いていたイメージボードに登場する女の子です。

「火垂るの墓」 原作は野坂昭如の同名小説

 原作は野坂昭如の「アメリカひじき・火垂るの墓」で、作者の実体験をもとにした半自伝的小説です。

作者には二人の妹がおり、上の妹には愛情を注いでいましたが、生活が苦しくなり下の妹は餓死させてしまいました。この作品では下の妹への贖いのため、妹思いの兄を描いたと言われています。

「魔女の宅急便」 原作は角野栄子の児童書

 原作は、角野栄子が執筆した児童書の「魔女の宅急便」です。ジブリではその1巻を映画化しました。

6巻では主人公のキキが結婚しており、双子のお母さんになっています。
映画のその後が気になる方は全巻読んでみてはいかがでしょう。

あらすじ

お母さんは魔女、お父さんは普通の人、そのあいだに生まれた一人娘のキキ。魔女の世界には、十三歳になるとひとり立ちをする決まりがありました。満月の夜、黒猫のジジを相棒にほうきで空に飛びたったキキは、不安と期待に胸ふくらませ、コリコという海辺の町で「魔女の宅急便」屋さんを開きます。落ち込んだり励まされたりしながら、町にとけこみ、健やかに成長していく少女の様子を描いた不朽の名作

引用:Amazon

「おもひでぽろぽろ」 原作は岡本螢・刀根夕子の少女漫画

 原作は岡本螢が原作、刀根夕子の作画による同名漫画です。懐かしき良き時代・昭和をほのぼのと描いた作品です。

映画に出てくる大人になったタエ子は高畑勲監督のオリジナルです。

「紅の豚」 原作は「飛行艇時代」

 月刊モデルグラフィックスに連載していた漫画『宮崎駿の雑想ノート』の中の「飛行艇時代」が原作です。

「紅の豚」の原作は、宮崎駿監督が雑相ノートという雑誌に掲載されていた短編漫画です。しかもそのページ数はたったの15ページです。

本の説明

宮崎駿監督が映画『紅の豚』の製作に先駆けて描いたカラー漫画(15頁)と、映画資料を満載。登場する飛行艇たちを模型で再現した頁や、飛行機博物館に展示中の水上機の写真、第一次世界大戦で実際に戦った戦闘飛行艇の戦史なども収録しています。

引用:Amazon

「海がきこえる」 原作は氷室冴子による小説

1990年から1992年までアニメージュに連載された小説を原作にしているのが「海がきこえる」です。

宮崎駿監督や高畑勲監督が一切関与していない作品で、テレビで放送されました。

スタジオジブリの映画「魔女の宅急便」のキャラクターデザイナー・作画監督であった近藤勝也が挿絵を担当したことも話題となって若い世代を中心にじわじわと人気を集めました。

小説の挿絵は氷室の構想メモをもとに近藤勝也が描いたもので、氷室自身も近藤の挿絵に触発されました。

あらすじ

高知の高校を卒業した杜崎拓は、東京の大学に進学し、一人暮らしを始めた。その矢先、同郷の友人から武藤里伽子が東京の大学に通っていると聞く。里伽子は高知の大学に行っていたのではなかったのか?拓の思いは、自然と2年前のあの夏の日へと戻っていった。

引用:Amazon

「平成狸合戦ぽんぽこ」 原作なし

 原作・脚本共に高畑勲監督の「平成狸合戦ぽんぽこ」です。
この作品はジブリで初めて宮崎駿監督意外の監督が原作者となりました。

「耳をすませば」 原作は柊あおいの少女漫画

柊あおいの同名少女漫画が原作です。映画化する際に設定が変更されているので、読むと違う印象を受けるかもしれません。

長期連載を目指していた「耳をすませば」があまり人気が出ず終了となった際、宮崎駿監督が作品を気に入りジブリ側が依頼する形で原作を描きあげたそうです。

あらすじ

読書が大好きな女子中学生・月島雫は、ある日愛読書の図書カードに天沢聖司という名が必ずある事に気づく…。そんなある日、電車で出会った猫に導かれ、地球館という不思議な店に迷い込んで??

引用:Amazon

「もののけ姫」 原作なし

原作・脚本・監督を宮崎駿監督が勤めました。

原作は無く、宮崎駿監督のイメージボードに描かれたものが基となっています。しかし、物語は映画と大きく違って、トトロと猫バスを足したようなものの怪が姫を誘拐するという児童文学みたいな作品です。

本の説明

ひたむきで一生懸命な "もののけ" と、けなげで一途な少女の愛の物語。──1980年に、宮崎駿が描きためた90枚のイメージボード「もののけ姫」を絵本形式でまとめた初期設定版。

引用:Amazon

「ホーホケキョとなりの山田くん」 原作は、いしいひさいちの4コマ漫画『ののちゃん』

朝日新聞の朝刊の4コマ漫画「ののちゃん」が原作です。

朝日新聞朝刊の4コマ漫画作品として、1991年10月10日から『となりのやまだ君』というタイトルで連載が開始されました。しかし、主人公のぼるくんよりも妹のののちゃんの人気が高かったため、1997年に題と主人公が変更されました。

「千と千尋の神隠し」 原作なし

原作・脚本・原案を宮崎駿監督が務めた作品です。
原作はありませんが、影響を受けた作品や企画は存在します。

スタジオジブリの企画検討会議で、柏葉幸子の『霧のむこうのふしぎな町』(1975年、講談社)が案に挙がりました。

その本の内容は、小学6年生の少女が「霧の谷」を訪れ、魔法使いの末裔たちが営む不思議な商店街で働きはじめるという筋のファンタジー小説です。

「千と千尋の神隠し」は、小説「霧のむこうのふしぎな町」や、企画として考えられていた「ゴチャガチャ通りのリナ」、「煙突描きのリン」の影響を部分的に受けています。しかし、キャラクターやストーリー展開の面では完全なオリジナル作品です。

猫の恩返し 原作は柊あおいの漫画「バロン 猫の男爵」

「耳をすませば」で主人公の月島雫が描いたストーリーという位置づけの本作は、勿論耳をすませばの原作者である柊あおいさんの作品です。

元々原作名は「バロン 猫の男爵」ですが、映画と原作の内容にそこまでの変更はありません。

「ハウルの動く城」 原作はダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説「魔法使いハウルと火の悪魔」

原作はイギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説『魔法使いハウルと火の悪魔』です。

宮崎駿監督の作品では約15年ぶりの他者からの原作です。しかし、その内容や結末は原作と違っています。
原作には戦争要素は一切無く、キャラクターの年齢や登場人物も少し変わっているので、原作も読んでおきたいところです。

あらすじ

魔法が本当に存在する国インガリーで、三人姉妹の長女に生まれたソフィー。ある日ソフィーは、『荒地の魔女』に呪いをかけられ、九十歳の老婆に変身させられてしまう。家族を驚かせたくないと家出したソフィーは空中の城に住む、うぬぼれ屋で移り気な若い魔法使いハウルのもとに、掃除婦として住み込んだ。

引用:Amazon

「ゲド戦記」 原作はアーシュラ・K・ル=グウィンの小説「ゲド戦記」

原作はアメリカのアーシュラ・K・ル=グウィンの小説「ゲド戦記」です。
映画は第3巻の「さいはての島へ」をモチーフとしたオリジナルストーリーとなっています。
また宮崎駿の「シュナの旅」からも影響を受けています。

当初は宮崎駿監督が監督を務める予定でしたが、息子の宮崎吾郎さんが監督をしました。
昔から映画化を望んでいた宮崎駿監督でしたが、ポスターにもなった吾郎さんの絵を見て監督を譲ったようです。

「シュナの旅」と「ゲド戦記」では「少年に救われた少女が、物語の最後で少年の心の光を取り戻す」というプロットが共通しています。

宮崎吾朗は、「シュナの旅」を映画化したいと望んでいましたが、宮崎駿が許可しませんでした。そこでこの作品のオマージュをこめてゲド戦記が作られました。

あらすじ

ロークの長としてアースシーを治める大賢人ゲドのもとに,ある国の王子が知らせをもってきた。彼の国では魔法の力が衰え,人々は無気力になり,まるで国中が死の訪れをじっと待っているようだと。一体何者のしわざか?

引用:Amazon

シュナの旅

この本の説明

宮崎駿が描き下ろしたオールカラーの絵物語。1982年「アニメージュ」にて『風の谷のナウシカ』の連載を開始したのとほぼ同時期に描かれた作品である。水彩の淡い色をいくつも重ねて着色した絵が美しい。

作物の育たない貧しい国の王子シュナは、大地に豊饒をもたらすという「金色の種」を求め、西へと旅に出る。つらい旅の途中、人間を売り買いする町で商品として売られている姉妹と出会う。彼女らを助けた後、ひとりでたどり着いた「神人の土地」で、金色の種を見つけるが…。

引用:Amazon

「崖の上のポニョ」 原作なし

崖の上のポニョには原作はありませんが、発想のルーツとなった作品があります。

宮崎監督は、ポニョ発想のルーツを質問されたとき「9歳の頃初めて読んだ文字の本がアンデルセンの人魚姫であり、そこにある『人間には魂があるが、人魚は"物"であり魂を持たない』という価値観に納得が行かなかった事が、遡ればポニョの起点なのかもしれない」と答えています。

「借りぐらしのアリエッティ」 原作はメアリー・ノートン作の児童文学「床下の小人たち」

イギリスの児童文学作家のメアリー・ノートン作の「床下の小人たち」が原作です。
映画と原作で設定が多少異なっています。原作の舞台はイギリスで、続編が続いています。

元々は約40年前に宮崎駿監督と高畑勲監督が企画したものですが、2008年に再度宮崎駿監督が企画し映画化が実現しました。
監督にはジブリで作画・動画スタッフとして活躍していた米林宏昌が起用され、初作品ながら大ヒットしました。

あらすじ

イギリスの古風な家の床下に住む小人の一家。暮らしに必要なものはすべてこっそり人間から借りていましたが、ある日、その家の男の子に姿を見られてしまいます。

引用:Amazon

「コクリコ坂から」 原作は佐山哲郎による同名少女漫画

佐山哲郎による少女漫画が原作です。
原作にはカルチェラタンは登場しません。

 「人を恋(こ)うる心を初々しく描いている」と宮崎駿監督も絶賛した、高校を舞台に瑞々しく描かれる青春漫画です。

「風立ちぬ」 原作は宮崎駿監督が描いた漫画「風立ちぬ」

宮崎駿監督が描いた漫画「風立ちぬ」が原作ですが、ストーリーの骨格は堀辰雄の小説「風立ちぬ」が基になっています。

宮崎駿監督が好きな作家ということから企画されました。
主人公の妻である菜穂子(なほこ)のモデルは堀が約1年間の短い婚姻期間を設けた妻の節子(せつこ)です。

「かぐや姫の物語」 原作は古典「竹取物語」

高畑勲監督の最後の作品となった「かぐや姫の物語」の原作は、日本最古の物語文学ともいわれる「竹取物語」です。
この映画の制作には8年、製作費50億円を費やした作品です。

「思い出のマーニー」 原作は児童文学作家ジョーン・G・ロビンソンの同名小説

イギリスの児童文学作家であるジョーン・G・ロビンソンが原作です。
映画は北海道が舞台でしたが、原作はイングランド北東部ノーフォークの入り江が舞台です。

1967年に初版が発行されており、いまでも改訂版が発売されるくらい人気があるイギリスでも有名な児童書です。

あらすじ

養い親のもとを離れ、転地のため海辺の村の老夫婦にあずけられた少女アンナ。孤独なアンナは、同い年の不思議な少女マーニーと友だちになり、毎日二人で遊びます。ところが、村人はだれもマーニーのことを知らないのでした。

引用:Amazon

「アーヤと魔女」 原作はイギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの同名小説

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NHKは、2020年冬にスタジオジブリによる長編アニメ『アーヤと魔女』をNHK総合テレビで放送予定であると発表しました。

原作は、映画『ハウルの動く城』の原作としても有名なイギリスの作家、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの児童向け小説『アーヤと魔女』です。

この作品を気に入った宮崎駿が長編テレビアニメにすることを企画し、息子の宮崎吾朗が監督を務めます。

宮崎駿監督の推薦

なんという愛らしい本でしょう。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんのさいごの本は、
佐竹さんのさし絵と編集の人の努力で
なんともいえない魅力のあるものになっています。
ぼくは5回位スミからスミまで読みました。
宮崎駿

引用:Amazon

「君たちはどう生きるか」 ルーツは吉野源三郎の同名長編小説

「君たちはどう生きるか」は、吉野源三郎の小説「君たちはどう生きるか」からタイトルを取っていますが直接の原作ではありません。

同小説が主人公にとって大きな意味を持ちますが、物語そのものは冒険活劇ファンタジーとなります。

2013年に宮崎監督は「引退」を宣言しましたが、長編アニメーションを制作することを発表しました。宮崎監督作品「風立ちぬ」以来の長編新作となります。

アニメーション映画版「君たちはどう生きるか」は2017年に製作が始まり、進捗状況について、スタジオジブリの代表取締役プロデューサー・鈴木敏夫氏は、「思ったより時間がかかっている」と話しています。

あらすじ

知的好奇心旺盛な少年「コペル君」と、彼を亡き父親の代わりに見守る教養ある「おじさん」。そんなふたりの心温まるやりとりを通じて、生きる意味を平易に、深く説いた児童向け教養小説

引用:Amazon

ジブリ作品の原作やルーツとなった作品まとめ

以前から知っていたというものから、意外と知らなかったという原作・ルーツとなった作品が見つかりましたか?

ジブリ作品は原作から大きく設定やキャラクターを変えてくることでも有名なので、気になったものがあれば原作と映像作品を比べてみるとさらに作品を楽しめるでしょう。