Flamin-GO

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ノベルADV「レイジングループ」レビュー 読み始めたらクリアするまでやめられないノベルゲーム

人狼ゲームをモチーフにした和風伝奇ノベルゲーム「レイジングループ」は、一度読み始めるとやめ時がまったくなく、睡眠を犠牲にして一気にクリアしてしまうノベルゲームでした。

ゲームをプレイした感想を書いていきたいと思います。

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 設定や伏線が凝っている和風伝奇「レイジングループ」

レイジングループ」はスマートフォン向けタイトルとして2015年に配信され、その後PS4やPS Vita、PC、Nintendo Switchとさまざまなハードで展開されています。

評価の高いシナリオだと聞いており、個人的に好きなライターの奈須きのこさんが絶賛していたので興味を持ちました。

いつぞやのPlayStation StoreのセールでPS4版を購入したのですが、ノベルゲームやるのは結構体力がいる(説明しにくいのですがこの感覚分かりますか?)ので積んでいました。

そして先日、最近始めた原神が最新のストーリーに追いつきひと段落したので、セールで買ったスカーレットネクサスをプレイしつつ、合間にノベルゲームでもするかという気分になり、「レイジングループ」を始めました。

前置きが長くなりましたが、他のゲームの合間にちょっとずつやろうという思いはことごとく打ち砕かれました。

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ゲームを始めたあたりは、絵柄もちょっと古い感じで、システムも最低限でちょっと不便かなと思っていましたが、ノベルゲームはシナリオが重要ということで、読み進めるうちに時間を忘れ、はまってしまいました。

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人狼ゲームを進めながら、世界の真実にたどり着くストーリー

本作は、いわゆる「人狼ゲーム」を題材にしたノベル系アドベンチャーです。

主人公の房石陽明(ふさいし はるあき)は、バイクで旅行をしている最中にとある山奥の休水(やすみず)という不吉な集落へと迷いこんでしまう。そこでは霧が出たときに「黄泉忌みの宴」という殺人儀式が行われており、村人の中に潜んだ人食いの人狼を探し出してくくり殺さねばならない。

最初、主人公は何も分からないまま人狼ゲームならぬ宴の儀式に巻き込まれます。

なぜ、現代日本でこんな儀式がまかり通っているのか?村の住人はそのことに何も疑問を持たないのか?と謎が謎を呼び、ほとんど疑問が解消されずルートが終わります。

そして、主人公は記憶を持ったままループし、村に入る前に戻ります。

主人公は、人狼ゲームで生き残りつつ、この村全体の謎を解き明かし、終わらないループを抜け出すことが目的となります。

村の部外者として村人から不信感を持たれながら人狼ゲームで誰が狼か、誰が人かを探りながら、村全体の謎も究明するという2重のテーマが面白く、ゲームを途中で中断できない!もう少しだけと、やめ時を忘れてプレイしてしまいます。

魅力的なテキストやヒロイン

最初はホラー要素が強く、怖いと思いつつも謎が謎をよび先が気になります。そして、ループで記憶を蓄積し住人とうまくやり取りして信頼を得たり、民俗学や漢字の文字遊び、民謡を解明したりして、知識が武器になっていくことが楽しいです。

主人公が「知らないことが怖い」というセリフがあるのですが、その通りだなと思いました。

「レイジングループ」は、恋愛要素もあります。それが本筋ではありませんが、彼女たちと親しくなり、それが謎を解く手がかりとなっていきます。

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それ以外のキャラクターも無駄な人物がおらず、個人的には最初は嫌味な人にしか見えない能里清之介が最後にはとても愛着のあるキャラクターになりました。(ご存知なんですね、仏舎利ロック・・・)

人狼ゲームのように宴で誰が狼かを話し合うシーンが本作でも重要なポイントですが、理性的に物事を考える人もいれば、感情的に話す人もおり、なかなか思ったように話が進まない、上手く進んでいてもどんでん返しされる、そんなもどかしさもポイントです。

全体的に緊張感のある場面が続きますが、ギャグが突然入ったり、シリアスな場面で ”自分なら~~するに違いない" というセリフが、実際違うルートでその通りの行動をしていて、メタ的にシリアスなギャグになっていたりとふっと息がつける場面があり絶妙です。

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読んでいるとセリフに「あれ?これっておかしくない?」と違和感をもつ部分もありますが、それが伏線だったのだと気づいたときは感動しました。

主人公は最初普通の人物ですが、だんだんとヤバくない?と思ったり、大胆な行動でかっこよかったり、突然はっちゃけたり、そしてなかなかのクズと個性の強い主人公でした。ノベルゲームで主人公に自分を投影してプレイする人もいると思いますが、このゲームではやめておいた方がいいと思います。

恐ろしくも美しい音楽

ゲームでは、「しんないもうで」という村に伝わる民謡があるのですが、リアルにありそうな民謡で、よくできているなと思いました。

この歌が、謎の一つに答えを出していたり、物語のあらましを伝えていたりでちょっとぞわっとしつつ美しい歌でした。

この曲のアレンジがいろいろな場面で流れるのですが、時に美しく、時に恐怖を感じる曲調にアレンジされていました。

プレイ中やクリア後も「しんないもうで」が脳内でループし、ちょっと怖くなりました……。

クリア後に2週目したくなる

 詳細は言いませんが、クリア後のあるモードが2週目したいというものになっています。

ノベルゲームで2週目したいと思わせるのは、初めての体験でした。

 

シナリオは、 全体的に高クオリティで、伏線もほとんど回収されています。

また、何度もループするというシナリオなので、好きな場面にすぐに移動できるシステムもあり、さくさくプレイできます。

人狼ゲームがテーマのゲームである「Among Us」や「グノーシア」が話題になっている今、人狼ゲームがテーマで、複雑な謎がすっきり解決される面白いシナリオを読みたいという人におすすめです。