コンシュマーで発売された「ドキドキ文芸部プラス!」をトゥルーエンドまでクリアした感想やレビューです。
ネタバレが見たくないという方のためにも段階的にレビューしていきます。
スポンサーリンク
文芸部の女の子たちとドキドキの生活がスタート!
「ドキドキ文芸部プラス!」は、PCでリリースされた「ドキドキ文芸部!」(Doki Doki Literature Club!)のコンシュマー版です。
パッケージやPVを見ると、日本の恋愛アドベンチャーゲームっぽいゲームですが、開発を手掛けたのはアメリカのTeam Salvatoです。
日本の恋愛ゲームっぽいのをアメリカ人が作ったのかと思いきや、このゲームとんでもなくドキドキさせられました。
ネタバレを見てしまうと面白さが半減してしまうゲームですので、段階的にレビューしていきたいと思います。ここまでで十分というタイミングでこの記事を閉じてゲームをプレイされることをおすすめします。
ちなみにこの記事では、PS5版「ドキドキ文芸部プラス!」でのプレイレビューとなっています。
あらすじやシステム面について(ネタバレ度0)
「ドキドキ文芸部!」は、とある学校の文芸部に入部した主人公の男子生徒と、ヒロインである四人の女子部員との交流を描いています。
ゲームの最初に、プレイヤーは主人公の名前を入力し、時折出る選択肢を選んでストーリーを進めていきます。
このゲームの特徴として、文芸部の活動の一環で、詩(ポエム)を執筆するというものがあります。(ここが欧米っぽいなと感じました)次々と提示される複数の単語の中から、一つずつ選択して詩を作成していきます。
ヒロインたちにはそれぞれ好みの単語があり、好きな単語が選ばれた時にデフォルメキャラのアイコンが反応するようになっています。
プレイヤーがいずれかのヒロインに気に入られるように詩を書いていくと、特定のヒロインとのイベントシーンに繋がっていきます。
というように、何の変哲もない恋愛ゲームが展開されます。
システム周り
ボイスはありませんでした。少し物足りなく感じましたが、テンポよく進められるのでこれはこれで良かったと思います。
システム面はスキップやオート、音量調整など最低限のものが付いています。
アドベンチャーゲーム特有の文章を囲むボックスの大きさを変更できる点が良かったです。
オプションボタンを押し、スキップやセーブを選択できるようになっていましたが、繰り返しプレイ前提のゲームでしたので、スキップを多用する場面が多く、ボタン一回ですぐスキップできたら良かったのにと思いました。
「プラス!」要素
プラス!版では、書き下ろしサイドストーリーが新たに追加されており、主人公がやって来るまでの文芸部に4人が仲良くなるまでが描かれています。
このサイドストーリーがめっちゃ良かったです。お互いがすれ違い傷付けあいつつも、自分と相手の気持ちや距離感を掴みながら仲良くなっていく青春ジュナイブルでした。本編との落差が激しすぎて、本編どうしてこうなった……と思わずにいられない爽やかさでした。本編クリア後に読むのをおすすめします。
ほかにも、CGや楽曲などが新規収録されたり、ミュージックプレイヤーが搭載されています。
不穏な注意書き
ゲームスタート時、「このゲームはお子様や精神状態が不安定な方には適していません」との注意が出てきます。
オプションメニューで警告表示を有効化できますが、該当する方はプレイしない方がいいと思います。(警告が出せるだけで、該当するシーンはしっかりとイラストでも描写されているので精神的に来るものがありました……。)
最初のプレイでは、注意書きのような展開は見当たらず、ヒロインたちが主人公を取りあうシーンで、ちょっと(?)過剰な言い争いがおこる以外はいたって普通の恋愛ゲームでした。
ツンデレ好きの私はナツキちゃんと仲良くなるように頑張っていました。
終盤は幼馴染のサヨリとの選択を迫られる難しい場面もありましたが、ツンデレ ナツキのデレが見たい!という一心でナツキルートに進むことに。
しかし、物語の最後には衝撃の展開が……。
えっ⁉ マジか……。
と思わず声が出ました。ちょっとドキドキしました。
そこからが、このゲームの始まりとも言えるでしょう。
ドキドキ(?)したい方におすすめ
ここまでで、興味が出てきた方は、この記事を閉じてゲームの購入をおすすめします。
ちなみにパッケージよりDL版の方が半額ほど安くてびっくりしました。セールで買うとかなりお得に購入できます。パッケージ版には初回特典でいろいろなグッズが付いています。
これはバグ?不穏な演出(ネタバレ1段階目)
さて、ここからはネタバレ(1段階目)ありで語っていきたいと思います。
1週目の最後に、ヒロインの一人である幼馴染のサヨリが、自室でロープを使って○○しバッドエンドになってしまいます。いろいろな選択肢を選んでみましたが、この結末は変えられませんでした。
そこからが、このゲームのドキドキの始まりです。
バッドエンドからスタート画面に戻りますが、ヒロインの一人がバグっています。ニューゲームだった文字も文字化けを起こしています。
ゲーム中も1週目にいたはずのヒロインがいなくなっていたり、突然ヒステリーになったりバグるヒロインとホラーな演出が起こったりと大変です。
ヒロインの背景も見えてきて、それぞれが闇を抱えていたりと甘々な恋愛ゲームを想像していると裏切られます。
ぶっちゃけると、日常シーンは特筆して面白いということもなく、システム面や演出が尖りに尖っており、それが面白いと感じました。
スポンサーリンク
第四の壁を破ろうとするヒロイン(ネタバレ度最終)
最後に、この作品の核心となる部分について語っていきたいと思います。
すこしでもプレイしてみたいなと思った方は以下を読まずゲームを買ってプレイを始めることをお勧めします。
「ドキドキ文芸部!」はゲーム内ゲームというメタ的な構成となっていました。
現実世界でドキドキ文芸部!(略してDDLC)を制作しており、PCを使ってDDLCをテストプレイしている体で、ゲームが進みます。
PCでゲームをしたことがある人なら分かりますが、ドキュメントファイルにテキストファイルやら音声ファイルやらがまとめられており、それが欠けるとエラーを起こしてしまいます。
ヒロインのモニカは、自分がゲーム内の住人であることを自覚しており、ゲームデータのファイルを弄ることで、主人公に思いを寄せる他のヒロインのデータをいじくっておかしくさせたり、削除することで主人公と自分が結ばれるように仕向けます。
といってもモニカはデータをちょっと弄ることができるだけで、ゲームの外に出てくることはできません。そこで、プレイヤーがゲームを閉じてファイルを自分に有利になるように変えていくことでゲームを進められます。
PCでファイルを弄るというプレイスタイルをコンシュマーでどう表現するのか不安でしたが、仮想PC画面のなかでファイルを見ることができ、ファイルを弄っている感は十分味わえました。
あと、モニカは画面の外にゲームをプレイするプレイヤーがいることを感じ取っており、こちら(ゲーム内主人公ではなくプレイヤー)に話しかけてくる場面は鳥肌がたちました。
今後、AIが発達し恋愛ゲームでもAIが搭載される未来が来るとしたら、ゲームの枠組みを超えてリアルに干渉してくることもありえるかもしれないと、うすら寒くなりました。
スポンサーリンク
クリア後のやり込み要素も
サイドストーリーが用意されていたり、現実世界側のPCデータにも色々仕掛けがあるのでそれを解明していくなど、ストーリーをクリアした後のやり込み要素が用意されていました。
「ドキドキ文芸部プラス!」は、恋愛ゲームというお約束を突き破って、メタ的な展開に持ち込んだ意欲作です。画面の向こう側で繰り広げられていた物語が、現実に侵食してくるような恐怖にも似た驚き(ドキドキ)を体験したいという方におすすめのゲームです。